2010年9月20日月曜日

病院と刑務所が一番安全であるべきではないのか?

不毛なアシネトバクター騒動とその背景にある誤解(青木眞氏サクラ精機学術顧問。日経メディカル寄稿)を読んで。


青木氏 
帝京大病院で、院内感染によりアシネトバクター菌に集団感染したことについて、現場の冷ややかさとは対照的に、新聞は連日、熱心に報道している。日々、全国の医療機関でアシネトバクターが新たに検出されたことが発表されているほか、帝京大では9月8日、救急や新規入院の受け入れを中止する事態にまでなった。だが、医療界からは今回の騒ぎを疑問視する声も少なくない。

「何を騒いでいるんだろう」というのが私の率直な感想です。生まれつき抗菌薬が効きにくい菌を「耐性だ」と大騒ぎし、不必要に恐れるのはどうなのでしょうか。 医療現場としては比較的良くある風景のはずです。前からあることを、今になって突然持ち出して、無理に問題にしているように感じます。

INA
HIV非加熱血清製剤フィブリゲンで有名な安部英氏が医学部部長を努められた帝京医大での院内感染での出来事を青木氏は以上の様に述べられました。まだまだ青木節は続きます。

青木氏
「何を騒いでいるんだろう」というのが私の率直な感想です。生まれつき抗菌薬が効きにくい菌を「耐性だ」と大騒ぎし、不必要に恐れるのはどうなのでしょうか。 医療現場としては比較的良くある風景のはずです。前からあることを、今になって突然持ち出して、無理に問題にしているように感じます。

青木氏
帝京大病院を批判するならば、入院患者数、重症度も加味した上で、多剤耐性のアシネトバクターでどれだけの方が亡くなっているのかを考えていく必要があるのです。そのような疫学的なコモンセンスが今の日本には欠けているのではないでしょうか。現在、「抗菌薬が効かない」ということが、「患者さんの死亡率上昇」とイコールで考えられているような気がします。抗菌薬が効く効かないだけではなく、それが患者さんの生命や健康にどのような影響を与えるかを考えていかなければいけません

INA
最後は脅かしで締め括ります。

青木氏
繰り返しになりますが、耐性アシネトバクターは高度医療の副産物的な要素が極めて強いものです。重症の患者さんを守ろうとして、丁寧に培養検査をするからアシネトバクターは見つかるだけのこと。いい加減に抗菌薬を使い、培養もしない病院では見つかりません。さらに言えば、アシネトバクターが検出されたからといって、業務上過失致死容疑などで警察が介入するようなことになれば、医療機関が取る策は「培養しない」「重症患者は受け入れない」という萎縮医療です。そして、最後に割を食うのは患者さんなのです。

INA
父よ、お赦し下さい。この者たちは自分が何を言っているのか、そして、何をしているのか何も解っていないのです。(イエスの言葉。ゴルゴタの丘にて)

日本の皆さんは病院の対応や嘘、誤魔化しがイケナイと言っているのです。それと一般患者の軽視です。最後の脅かしが一番イケテマセン。